Production 話す。  "HANASU"


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脚本/演出:
外輪能隆
会場:
cream room
日時:
2000.9.11~23
   

Cast
大野美伸
土本ひろき
徳間理華
外輪能隆

Note
話す。

★小さなギャラリーでのロングラン公演

ギャラリースペースでの2週間公演では「限りなくprivateに近いpublicな公演」をテーマとした作品づくりを行った。

たおやかなキャンドルの明かりのもと
俳優が訥々とひとり語りをはじめる。
観客を友人に見立てて話す風でもなく
一人芝居を演じているわけでもない。
微妙なバランスと張りつめた空気の中
観客と俳優が同じ目線、緊密な空間でともに同じ時間を過ごす。
キャンドルの明かりのように
語る俳優の心のゆらめきが手に取るように感じられる空間。
くすぐったくもあり切なくもある
ちりちりとした時間の流れを感じられる空間。
友人の部屋で、話す。
普段は言えない小さな「個人」を語る空間。

この実験的な公演では、ギャラリースペースを一つの部屋にみたて
小さなテーブル一つを舞台として俳優がそこで「話す。」スタイルをとった。
そのテーブルを囲んで座る観客は友人の打ち明け話を聞いているかのような錯覚におちいり
publicである公演をprivateな感情でとらえることになった。


「莢さや」真里子 話手:土本ひろき

真里子への恋と、そのすれ違いを中学生のころから現在にいたるまで語ります
目の前に青信号が灯っていたとしても渡ることのできない、
人間の切なさが伝わる作品です
出演はエレベーター企画のレギュラー俳優土本ひろき
彼の実体験と、ニューヨークの作家マーク・フェイダーの「マリリン」を融合して送ります

 

「妙たえ」エデンはもはや 話手:大野美伸

狂気をはらんだ母と、それをかえりみない父
そんな家庭の中で育った女は、殻をとざすように生きてきた
そんな彼女が見つけた女優という生き方
しかし彼女にもたされるのはやはり悲劇的な結末なのです
出演はエレベーター企画の大野美伸
女優という華やかでありまたはかない生き方を
朱天文の「エデンはもはや」をベースに送ります

 

「拗よう」猫のこと 来たぞジャイアン 話手:外輪能隆

最近のことはすぐ忘れてしまうのに
昔から心にしみついていること
美しいこと・醜いこと・嬉しいこと・つらいこと
小さな思い出を綴ります
ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュの「若き日の悲しみ」の語り口で
エレベーター企画の外輪能隆が話します

 

「澪みお」スパンコール 話手:徳間理華

 

 

CONCEPT

「卑近な人に自分の事を話す。」

外輪能隆が長くあたためてきたギャラリー公演企画。真夜中に秘密を打ち明けられるような緊密で、でもなんだかくすぐったいような空間、、、
この「人間の内面の複雑さ」をさらに鋭くつきつけるために
以下のようなコンセプトを考えました

「限りなくprivateに近いpublicな公演」

そのために――

■俳優に個別の役を与え演じるのではなく、自らのコトバを語る
■そのために、役者の息づかいが聞こえるほどの小空間を使用する

という方法での公演を模索しています。
「俳優が役を演じるのではなく、自らのコトバを語る」

そのために今回は「ひとり語り」という形態をとろうと思います
その内容は、役者の体験に根ざした――
台本に書かれた虚構の世界ではない――
生きた言葉を語る
そういう公演にしたいと思います

 

ただし、この公演は、体験談を話すところではありません
エンターテイメントとしても十分通用する作品を上演します
そのために、体験をモチーフにしながらも
きちんとしたストーリーを組み上げていくつもりです
 
現在決まっている脚本は以下です

「真里子」
「エデンはもはや…」
「猫のこと」
「来たぞジャイアン」
「スパンコール」
 
最終的には4作品、男優2・女優2の構成で行いたいと思います
日替わりの組み合わせで4パターン
それを4順して16ステージ行いたいと思います

真里子
真里子への恋と、そのすれ違いを
中学生のころから現在にいたるまで語ります
目の前に青信号が灯っていたとしても
渡ることのできない、
人間の切なさが伝わる作品です
出演はエレベーター企画のレギュラー俳優、土本ひろき
彼の実体験と、ニューヨークの作家、
マーク・フェイダーの「マリリン」を融合して送ります

エデンはもはや…
狂気をはらんだ母と、それをかえりみない父
そんな家庭の中で育った女は、殻をとざすように生きてきた
そんな彼女が見つけた女優という生き方
しかし彼女にもたされるのは
やはり悲劇的な結末なのです
出演はエレベーター企画の大野美伸
女優という華やかでありまた、はかない生き方を
朱天文の「エデンはもはや」をベースに送ります

少年 来たぞジャイアン
最近のことはすぐ忘れてしまうのに
昔から心にしみついていること
美しいこと・醜いこと・嬉しいこと・つらいこと
小さな思い出を綴ります
ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュの
「若き日の悲しみ」の語り口で
エレベーター企画の外輪能隆が話します

 


SPACE IMAGE

「俳優の息遣いが聞こえるほどの小空間を使用する」
卑近な人に自分のことを語る。そのような場にしたいのです
自分の心に深く染みこんでいるものをわかってもらいたい
できれば、その気持ちを共有したい
そのためには、ほんのわずかな眼差しの変化、指先のふれ、
そんなものが伝わる空間で時間を共有したいと思います

 

演劇では舞台美術としてくくられれいるものを
今回はインスタレーションととらえ、
現状二つのプランを考えています

「わたしたちの部屋」
「たおやかなあかり」
 
最終的にどうなるか、はたまた別の案が浮かぶかもしれませんが
このような形で空間を有効に活用したいと思います

 

「わたしたちの部屋」

歳をとるにつれて増えていくモノ、なくなっていくモノ
思いはモノにつながり、モノは思い出につながっていきます
そんなたくさんのモノたちを会場じゅうに置きたいと思います
1997年に上演した「ゴリヴォーグのケークウォーク」の
舞台美術を応用したプランです

 

床にもたくさんの布や服をしきつめ、
観客は床にベタ座りをしてお話を聞くことにしましょう
初めて自分の部屋をもらった時ような空間が生まれることでしょう

 

「たおやかなあかり」

ぐるっと囲むようにおかれたロウソク
そのたおやかな灯りが、演技者と観客をつつみこみます
アロマキャンドルが気持ちを静めます

 

演技者の動きや息づかいで
いくつかは上演中に消えてしまうかもしれません

でも暗い明かりがきっとイマジネーションを広げてくれるにことでしょう
真夜中に秘密を打ち明けるような
緊密で、でもなんだかくすぐったいような空間がうまれることでしょう




Voice
習慣HIROSE 文:広瀬泰弘氏

話す。 Dプロ

 もともとエレベーター企画という集団の作劇は、語りに近く、本を読んで聞かせるように芝居を見せていくことをベースにしている。だから今回のような企画自体、何の不思議もない。まるで、朗読でもするかのように、密な空間で芝居を見せてしまう。これはあくまでも、ものすごくよく出来た芝居である。
 目の前で役者がまるで自分のことのようにこちらにむかって秘密をうちあけるように、とっておきのお話しをじっくりと聞かせてくれる。これはまたひとりぼっちの自分の部屋で短編小説を読むときに似ている。自分と(相手と)一対一でむきあう。
 この小空間とほんのひと握りの観客(この日は、4人。スタッフキャストは6人いるのに)とむきあい、とても贅沢な時間を過ごす。役者と完全に目が合ってしまうことも、ままある。
 僕の見たDプロは、外輪さんの「拗」と大野さんの「妙」の二本立て。男の子のロマンとセンチメンタルを、さらりと元気に見せる「拗」と、女の子のリアルが切なく胸にしみてくる「妙」。とてもいいカップリングだった。大野さんが語る女であることの痛みをベースにしたお話しは、彼女(お話しの主人公ね)のずるさに弱さを含めてとてもよく描けている。対して外輪さんは、男の子の無邪気と残酷が鮮明に対比する2つのエピソードで出来ており、シンプルだからこそ心地よくしっかり胸にとどいてくる。
 この企画は、観客の胸にダイレクトに(ほんの少し手をのばせばとどくところで語ることも含めて)伝えようとすることを、第一の眼目にして成り立っており、その作品選択も含めてとても見事に成功している。
(00.9.14 8:00~ CREAM ROOM)

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話す。 "HANASU"

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バーサよりよろしく "HELLO FROM BERTHA"

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Last Update 16/02/14